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コラム
コラム : 2月議会議案質疑全文
投稿日時: 2013-03-11



H25年2月議会議案質疑   再生  ←議案質疑での録画映像を再生します。 

 通告に従いまして、歳出第11款教育費、第1項教育総務費、4目学校教育指導費の中から、「あいちグローバル人材育成事業費」について、伺って参ります。

 現在本県では、急速に変化する国際情勢の中で、本県が今後も持続的に発展していくために、今年度末を目途に、5年間にわたる「あいち国際戦略プラン」の策定が進められています。その中の「あいちグローバル人材育成事業」では、高いレベルで英語を使いこなせる人材として高校生を育成する「スーパーイングリッシュハブスクール事業」や小中高生による「イングリッシュキャンプ」などを実施し、本県の将来を担う若い世代をグローバル人材として育成するとしています。つまり、世界共通語である英語力の向上を目指し、本県英語教育の改革、充実に取り組むということであります。

 ところで、かねてより日本人の英語力については、英語教育を受ける時間の長さの割に、なかなか上達しないという指摘がされてきたところです。確かに、我々日本人の英語力は、英語力の測定方法として国際的に定評のある、トーフルの国別ランキングの最新データでも、世界163カ国中135位と大変低く、アジア30カ国においても27位に甘んじている状況です。こういった事実に対して、「日本語と英語では、語順や文章構成が大きく異なるため、そもそも日本人には大きなハンデがある」などという、言い訳のような理由も時々聞かれますが、日本語と類似した文法構造の韓国語を母国語とする韓国人の多くが、我々日本人よりもはるかに流暢に英語を使いこなすのを目の当たりにしたり、トーフルやトーイック等の平均点でも、我が国を大きく上回っている現状をみますと、やはり「文法や英文和訳に偏ってきた」とされる英語教育の弊害が、主な要因なのかも知れません。

 もちろん、そんな我が国の英語教育も、私が中高生だった30数年前に比べれば、授業や入学試験にリスニングが導入され、その比重が徐々に増大するなど、少しずつではありますが、改善が図られてきたのも事実です。また、大変遅ればせながらではありますが、平成25年度の高校入学生から実施される、高等学校の新学習指導要領においては、「英語の授業は、全て英語で行うことを基本とする」、つまり「英語を学ぶ」から「英語で学ぶ」への転換が図られることとなりました。

 一方、地方自治体においても、英語力の向上を目指し、平成15年の群馬県太田市への外国語教育特区認定を皮切りとして、数年前から様々な英語教育改革への取り組みが行われて来ました。本県内にも、意欲的な取り組みを進めている自治体がいくつか存在しますが、それらの中でも豊橋市は、平成18年度から、構造改革特区制度を活用して「英会話のできる豊橋っ子」の育成を目指した先進的な英語教育を推進していますので、その概要を紹介させて頂きます。

 まず、取り組み目標としては、中学校卒業時に「英語で自分の意思や考えを伝えたり、受け取ったりする英語運用能力を身につけ、臆することなく外国の人々とコミュニケーションをはかろうとする子ども」の育成と、その英語運用能力を基盤にして「異なる文化を持った人々と相互理解を深めながらお互いを尊重しあい、身近な外国の人々とも共生して快適に暮らそうとする共生の心を持った子ども」の育成を掲げています。子どもの発達段階に合わせて3つのステージを設け、それぞれの段階ごとに設定した目標の達成を目指しており、第1ステージを小学校3、4年生、第2ステージは小学校5、6年生として、年間35時間を英会話の授業に充てています。

 第1ステージにおいては、スクールアシスタントと呼ばれる、地域に住む英語に堪能な人材と学級担任が指導にあたり、第2ステージでは、外国人英語指導助手(ALT)と学級担任が指導を行っています。ALTなどの確保に当たっては、年間1億円以上の予算を投入して、可能な限り、ALTによるネイティブな英語に触れられる時間を増やす様、努力されています。第3ステージの中学校3年間でも、従来の英語科の時間数を週4時間に拡充し、小学校での英語教育の成果を踏まえて、スピーチ・ディベート・ディスカッションなどを用いて、互いの思いや情報を伝え合う活動の充実に取り組んでいます。

 豊橋市の取り組みの中でも特筆すべきなのは、これまで十分とは言えなかった小学校と中学校との連携を実現し、7年間一貫した「豊橋市英会話カリキュラム」による英語教育を実践している点です。さらに私が、とりわけ先進的だと感じるのは、小学校と中学校との連携実現にとどまらず、平成19年度からは、市内の小中高(ここで言う高校とは市内にあるすべての県立高校ですが、)これらの学校による小中高連携教育推進協議会を設立し、例えば小中学校の英語の授業を高校の先生が見学に行ったり、その逆もおこなったりするなど、様々な形での連携を進めていることです。

 そして本年秋には、全国の行政関係者ならびに現役の教師の皆さんを対象に、これまで英語教育に関して積み上げてきた成果や課題、今後の方向性等について発表する研修会を、2日間にわたって豊橋市内で開催する予定とのことです。内容としては、現在までの成果発表のほか、小中高の公開授業やパネルディスカッションなども行い、我が国の英語教育の今後のあり方を全国に向かって発信するという意気込みで、現在準備が進められています。

 今ご紹介したように、豊橋市教育委員会を事務局とする小中高連携教育推進協議会は、大変精力的な活動を展開していますが、一方で、もちろん課題も抱えています。一例をあげますと、豊橋市内の高校には、当然他の市町村からも入学者がありますが、小・中学校での英語教育の違いによって、高校入学時点での英語力に格差がついてしまう問題です。このことは、豊橋市内の県立高校の校長先生からも同様な指摘がされており、やはり豊橋市内の中学校出身者と比べて、近隣市町村の中学校出身者との間には、英語への慣れや親しみという点で、明らかに異なる印象を持たれるそうです。

 今後は早急に、同じ地域に暮らす生徒たちが、同水準の英語教育を受けられるようにしていく必要があると思います。小中学校教育の監督権限は市町村教育委員会にあることは、十分承知しておりますが、やはり県教委にも担って頂くべき役割があるのではないかと、私は考えます。

 以上を踏まえ、順次、3点の質問をさせていただきます。

 1点目の質問です。私が調査いたしましたところでは、現在、県内の小中学校で行われている英語教育は、英語教育の開始学年や授業内容,小中の連携状況などにおいて、市町村ごとにかなりバラツキがあると感じますが、県教委として、その現状をどう把握し、どのように評価しておられるのか、お伺い致します。

 2点目の質問です。英語力を向上させるためには、小中学校の連携はもちろん欠かせませんし、小中高による教育連携も不可欠です。そこで、伺います。先ほど、ご紹介いたしましたように、現在豊橋市で進められている小中高連携教育推進協議会を、例えば県内12に分かれている校長会エリアごとに設置して、教育連携を積極的に推進すべきと考えますが、いかがでしょうか?ご所見を伺います。

 3点目の質問を行う前に、本県民の英語力の一端を示すと思われる、大学入試センター試験における本県受験生の英語の成績について、若干触れさせていただきます。私が調べたところでは、センター試験受験者数が10000人を超える、全国11の都道府県のうち、本県受験生の成績は、平成21年、23年ともにあまり芳しくなく、残念ながら下位グループに位置している様です。また、4位までの上位グループは、2年とも神奈川県、東京都、大阪府、千葉県が占めているそうです。

 その要因として、本県受験生は、他県に比べて国公立志向が強いため、センター試験の受験割合が高く、受験者数が極めて多いということも影響していると言われますが、そうはいっても、こういった事例を耳にしますと、来年度から始まる「あいちグローバル人材育成事業」への期待は、ますます高まるわけであります。ただ、英語教育の成果は、もちろん一朝一夕に表れるものではなく、一定の期間が必要です。その間、指導者の資質向上にも絶えず取り組まなくてはなりませんし、トーイックなどの国際的な基準による進捗評価や高校入試問題の改革なども重要な課題です。  

 そこで、3点目の質問を致します。今回のあいち国際戦略プランは、5カ年計画ですが、私は、英語教育においては、例えば、来年度小学校3年生に進級する児童が、高校を卒業するまでの期間に相当する、少なくとも10年間程度にわたる長期計画が必要だと考えます。県教委としては、国際戦略プラン終了後について、いかがお考えでしょうか?ご所見をお伺いして、私の質問を終わります。



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